吉祥寺ウォッチ

■浮遊する文字?!武蔵野市立吉祥寺美術館「モジもじ文字」展

もじもじもじ。

もじ。
北九州の門司ではありません。

モジモジ。
トイレを我慢しているわけではありません。

もじもじもじ。

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「モジもじ文字」。

2012年7月28日(土)~9月9日(日)、
武蔵野市立吉祥寺美術館で開催されている展示です。

文字の展示って、なんだろう。
展示というと、絵画や彫刻や写真などが一般的だと思うのですが。

一体どんな展示なのでしょうか?

というより、普段もこうして私たちが使っている文字に、
何か展示するほどの特別なものがあるのでしょうか??

疑問いっぱい。
でも?だから??気になる展示!!
というワケで、「モジもじ文字」展示へ行ってきました。

武蔵野市立吉祥寺美術館は、
FFビル7階(コピス吉祥寺A館7階)にあります。

2002年2月、日常生活と文化・芸術を結び親しむ場として開館。
わあ、すでに10年も経っていたのですね~。
すっかり吉祥寺に馴染んでいる美術館です。

エレベーターを降りて、窓口で入館料を払います。

「100円です」

くう~!!
武蔵野市立吉祥寺美術館に行くたびに泣けてきます。

この安さ!!
100円で気軽に芸術と触れ合える!!

100円玉を1枚財布から出せば、芸術が待っています。

「文字の展示ねえ~どんな感じなのかな~」
と、依然、はてなマークを抱えたまま展示室へ。

展示は、文字を使った個性的な表現を展開している、
3人のデザイナーによるものです。

平野甲賀の「描き文字99」
鳥海修の「字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト」
大原大次郎の「もじゅうりょく」

独特な描き文字で数多くの装丁やポスターなどを手がける、
平野甲賀さん。

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平野甲賀『ぼくは浅草の不良少年』玉川しんめい著 作品社 1991年

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平野甲賀「環太平洋電脳音楽会」 コンサートのタイトル 1988年

あ!この人の本の装丁、見たことがある!
これって、この人の作品だったんだ!!
へえ~
ふう~ん
ほお~
絵みたいだけど、文字だよね?

多くの書体を開発するタイプデザイン設計士・鳥海修と
デザイナー・永原康史を中心に、
近世初期の活版印刷に使われた連綿体のフォント化を試みる、
「字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト」。

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字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト『伊勢物語』第九段(改刻)

えっ
こんなことできるんだ
わあ・・・
なに~い
すごいぞ
たしかに、これも、書体の一部だ。

タイポグラフィを基軸にデザインワークや映像制作も手がけ、
ワークショップなど多彩に活動する大原大次郎さん。

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大原大次郎「かたち」 Design:OHARA DAIJIRO Photo:HOMMA TAKASHI

ええ~!!
そう来たか!!
むむむ・・・
文字が浮遊していますよ~
この人の頭の中って、どうなっているんだろう??

と、以上が展示を見た私の感想です。
なのこっちゃ。
一体どんな展示となっているのかわからないでしょう!
ならば、是非、ご自分の目で確かめてください。

来場者の方の多くは、
じーっと、じーっと、じーっと、
展示を見つめていましたよ~。

さて。
「”もじ”を書いてください」と言われたら何を書きますか?

いきなりなんですか?
と、言われそうですが、どうですか?何を書きますか?

これは、展示会場のボードに貼られたもの。
来場者の人たちが、たくさんの”もじ”をシールに書いて
貼り付けてあります。

カタカナで書く人。
ひらがなで書く人。
漢字で書く人。
絵で書く人。

これがとても面白くて、しばらく見入ってしまいました。
誰ひとりとして同じように書いている人はいないのです。

展示を通して「文字」を体感し、
日本語の文字の自由さやおもしろさを感じました。

展示の帰りに、ふと思い出しました。
外国人の友人に、「日本語は3種類あるんだよ」
と教えてあげたことがあります。

『はあ?何言ってるの?』と、バカにしたような顔をしていました。
私が言っている意味がわからなかったのでしょう。
書いて説明しました。

YO SHI DA

よ し だ

ヨ シ ダ

吉 田

「これの3種類、YOSHIDAだよ」
と言うと、黙ってしまいました。
『これ(よ)とこれ(ヨ)が同じ発音なわけ??』

「この3種類をミックスして使って文を作るんだよ」
ここまで言うと、ポカーンとしていました。

普段何気なく使っている分、
日本の文字についてあまり考えたことはありませんでした。

でも、この時の友人の顔を見て、
日本語って面白い言葉かもしれない、と思いました。

そして、今回の展示を見て、気づいたこと。
日本の文字には何かを書く、表現するという以上に
文字そのものにパワーがあって、
それに気づいた人たちによって新しい扉が開かれていく。

あれ、もしかしたら、とっても楽しいことかもしれない。
ワクワクしてきましたよ!

ジもじ文字展関連イベントもあります。
こちらも面白そうですよ!

「僕は描く、晴さんは歌う」
はじめに三人による雑談!
その後、斎藤晴彦、平岩佐和子による愉快なエノケンソング!!

日 時:平成24年9月7日(金) 午後6時30分~7時15分
出 演:平野甲賀(グラフィックデザイナー)、斎藤晴彦(俳優)、平岩佐和子(ピアニスト)
定 員:90名(事前予約制、先着順)
会 場:吉祥寺美術館音楽室
入 場:無料 ただし美術館入館券が必要
申 込:7月15日(日)より、電話(0422-22-0385)または美術館窓口で受付。
お子さん連れでもOKです。

※※※定員に達しましたので受付を締め切りました※※※

モジもじ文字

平野甲賀の「描き文字99」
鳥海修の「字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト」
大原大次郎の「もじゅうりょく」

2012年7月28日(土)-9月9日(日)
※8月29日(水)は休館日